第20回 MANGA OPEN 選考結果発表!!
第20回 MANGA OPEN 実録2次選考会!!
以下は編集部内で行われた作品の概要と第2次選考会の模様です。2次選考では、第1次選考を通 過した31本の作品について、事務局メンバーを中心に、編集部員が参加しての議論が交わされました。
1 漫画「スパイダー」東京都 ヨ→コ
概 要
「花屋で働く一見普通の女の子・小泉は、実は自分の部屋に好きな男を監禁することで自分の欲望を満たしていた」

編集部員・N
「かわいい絵柄でドロドロした話を描いているんですが、一応形にはなってるなと思いました。まあなんてことない話といえばなんてことない話ではありますね」

事務局長・島田
「ありがちな話ではあったけど、えらい読みやすい話ではあったよね」

事務局員・加藤
「たしかに絵柄は読みやすかったんですけど、どうも絵柄と話の内容が合ってない感じがして、すごく違和感がありましたね。ホラーとは言わないまでも、女性の恐ろしさみたいなものを表現するのにこの絵柄は適していないんじゃないかなと思いました。ラストで主人公の女性が改心するとかだったら、まだこの絵柄でアリだとは思うんですけど」

編集長・古川
「そう、この話、ラストがすごく弱いよね。ラストに工夫がなくっちゃ」

副事務局長・三村
「結局主人公はこれからも男を監禁し続けましたとさっていうラストだからね。主人公の気持ちに変化がない。“物語”を作るってことをもっと意識してほしいと思います」

2 ネーム「GREEN PEARL」北海道 牧野広義
概 要
「無地のノートに描かれた213ページにわたる長編ネーム。大富豪が所有する島の所有権をめぐって、4人の男女が島内での宝探しに繰り出す」

副事務局長・三村
「僕は今回の中ではこの作品に最高点をつけたんですが、採点表を見ると、周りの人にあまりにも人気がなくて驚いてます。きっちりと話を構成して、どんでん返しを作り上げていて、この人はちゃんと王道の話を作り上げる構成力のある人じゃないかなと思うんだけどなあ。絵が古い感じがして、特に女のキャラクターにすごくそれを感じるんですけど、みんなその辺にだまされてるんだよ。本当は相当力量のある人じゃないかな」

事務局員・加藤
「『なんでもあり』にしてからネームでの応募もけっこうありましたけど、これだけの完成度のものは初めてですよね。でもネームで最終選考に通しちゃってもいいんですか?」

副事務局長・三村
「まあ、最終的には『ペン入れしてきて』って話にはなるよね。『なんでもあり』なんだからネームでもいいんだけど、ネームで応募してくるのは不利ではある」

事務局長・島田
「まあでも、実際ネームでめちゃめちゃ才能を感じさせる人もいると思うんだよね。この賞にはそういう才能を発掘するためのものでもあるんだから。で、この人なんだけど、言っちゃ悪いが、絵は確かにやや古い感じはするんだけど、目のドアップとかがすごくうまいと思う。だから読んでて、『この人、ほんとはもっともっとめちゃかっこいい絵が描けるはずだ』って感じはすごくしたんだよね。描ける力はあるんだけど、そうなってないっていうか。この人がこの絵に絶対的なこだわりがあるのならともかく、まだ絵柄は模索中なんじゃないかなあ。とにかく、今とは微妙に違う絵柄のほうが可能性あると思う」

モーニング歴3年。女編集K
「なんか絵にも話にも少年誌っぽい安定感がありますよね」

事務局長・島田
「うん。敢えて言うと、こうあらねばならないっていう思い込みがあるっていうか……」

副事務局長・三村
「プロフィールにはこのネームを某少年誌に持ち込んだって書いてあるよ。だからこの人の中ではその雑誌のカラーに合わせて描いたんじゃないかな」

事務局長・島田
「話も絵と一緒で、ちょっと少年誌的ステレオタイプに入っている感じはする」

副事務局長・三村
「そうですかね。まあ、確かにストーリーそのものにすごいオリジナリティがあるとは言わないけど、ここまできっちり構成を意識して物語を作ろうという人は、新人賞レベルではあんまり見たことないですよ。しかもそれほど突出しているとは言えないストーリーでも、この量をちゃんと読ませるっていうのはたいしたもんだと思います。」

一同
「……」

副事務局長・三村
「誰も賛同しないってんなら、まあ、ネームだし、ここで落ちるのも仕方ないけど、俺は担当しますよ。絶対才能あるから、この人。せめて完成原稿なら暴れてでも最終まで残すけど、まあ、ネームじゃあきらめますよ」

3 漫画「ドン」東京都 央伸
概 要
「都会への憧れを抱きながら田舎に暮らす女子高生・桃子は飼い犬のドンの姿に将来への答えを見つける」

入社2年目ゲイボーイ・M
「田舎に住む年頃の女の子の気持ちにすごく共感できましたよね」

事務局員・加藤
「そうかなあ、俺は全く共感できなかったよ。町を出て東京に行きたい自分を正当化するために、飼い犬の鎖をはずしてるわけでしょ。すごく自分勝手な主人公だなあって感じがした」

事務局長・島田
「東京23区内でぬくぬくと育ったお前にはわからないんだよ。ま、俺もどうってことない話だとは思うけど」

一同
「(笑)」

入社1年目・M
「読後感がすごく気持ちよかったです。ちょっと少女漫画風な感じもしたんですけど、男の人が描く女主人公として青年誌漫画的な要素もすごく強く感じました。そういう男にしか描けない女を描ける人っていうのは少ないんじゃないかなと思うんで、すごく作者に興味がありますね」

事務局長・島田
「お、なんか若者の支持は得てるじゃん」

副編・T
「この人、男なんだ! これこそなんてことない話を最後まで読ませる才能だなと思いました。あとコマ割りが抜群にうまいと感じました。絵もそんなにテクニックはないですけど、空とかすごくいい感じに描くんですよね。才能を感じましたね」

事務局長・島田
「子持ちからも支持ありか。俺はようわからん話だけど、そんじゃあ二次選考通過だね」

4 イラスト「無題」大阪府 高宮良子
概 要
「市井の人々の暮らす主に関西圏の風景を描いたイラスト数点」

編集部員・N
「ぼくはぜひとも担当したいんで意図的に最高点をつけました。このイラストを見て、『大東京ビンボー生活マニュアル』ならぬ『大ナニワビンボー生活マニュアル』みたいなものができたら面白いなあと。面白い描線だと思うし、描き込みも気にならないし。もちろん会って話を聞いてみないとわからないですけどね」

副編・T(大阪出身)
「ここに描かれてる風景って、全部実際にはない風景ですよね」

事務局長・島田
「えっ、ないの?」

入社1年目・I嬢
「昔の景色なのかと思ったら、描いてある映画の看板が今の看板だったりするんですよ」

副編・T
「そうそう、だから頭の中で古いものと新しいものを再構築して描いてるんですよね」

編集部員・H
「関西ってそんなとこいっぱいあるじゃん」

一同
「(笑)」

副編・T
「ウチの実家の近所とかもそういうとこあるんですけどですけど、今でも昔でもなく、混ざり合ってるんですよね。そういう雰囲気がよく出てると思います」

編集部員・N
「ちょっと気になるのは、このイラストって広角レンズを使った描き方をしてるんですよ。ということは写真を撮ったものを見ながら描いてる可能性があるんですよね。だとしたらつまらないと思う」

モーニング歴3年。女編集K
「面白い線を描く人ですよね。世界が歪んでるんですよね。晩年のゴッホみたいな歪み方なんでずっと見てるとなんか微妙に気持ち悪くなってくるんですけど、でもすごい魅力は感じます」

事務局長・島田
「いやあ、すごいだろ、この画力は。風景描いてるようでいて人間描けてるもの。今まで散々イラストの応募はあったけど、はじめて賞に値するもんが来たんじゃないの」

5 漫画「天気予報」東京都 矢寺啓太
概 要
「天気予報のように人の気分が見える小学生の男の子の物語」

事務局員・加藤
「前回『大そうじ』で奨励賞を受賞した矢寺さんの作品です。前回の富士山に思い出を捨てに行く話も面白かったんですけど、今回は前回以上に面白くなってると思います。前回は絵がすごく雑な印象を受けたんだけど、今回はすごく丁寧に描いてある。でも丁寧に描いたことで絵の下手さがモロに出ちゃった気がして、そこがちょっと惜しいですよね」

入社1年目・I嬢
「でも人の気分が天気予報として頭の上に見えるっていうアイデアは面白いし、話も20ページの中でよくまとまってるなあと思いました」

副事務局長・三村
「私が担当なんですけど、今回の話は女の子がかわいく描けるかどうかがカギなので、矢寺さんには女の子をとにかくかわいく描いてって話はしてたんですけどね」

入社1年目・I嬢
「最後の女の子の顔はすごくかわいくて印象的でしたよね」

編集部員・M
「女の子のキャラはいわゆる『ツンデレ』ってヤツですよね。俺はツンデレ好きだからニヤニヤして読めたけど、造形としてかわいいかって言われたらかわいくないかなあ」

事務局員・加藤
「それと男の子の拙いボキャブラリーで綴るナレーションがいい味を出していてぼくは読んでいてすごく微笑ましい気分になりました」

事務局長・島田
「前回の作品なんかはいかにも荒削りな感じがして、これをリファインさせたらよさが残るのかどうか疑問だったけど……まあ、読みやすくはなったけど、その分作品のパワーは落ちたような……」

副事務局長・三村
「うーん、そう言われると苦しいんだけど…。でも、絵をはじめ良くなった部分もあるでしょ?」

ベテラン部員・Y
「絵は幼い感じがかなり気になるんだけど、純粋に読者に受けるかもっていう予感がするんだよね。仮にこの話で展開していくときに、人の気分が天気で見えるっていうのはすごくセールスポイントになると思う。感情が天気で見える男の子の話っていうことで一言で説明しやすいし。私はこれ、最終に通すべきだと思う」

6 漫画「BULUTANGKIS(ブルタンキス)」千葉県 オクニシトシヤ
概 要
「ど田舎の高校のバドミントン部に所属する玉葱は、バドミントン強豪校のエースに喧嘩で負ける。喧嘩の借りをバドミントンで返すため玉葱の挑戦が始まる」

モーニング歴3年。女編集K
「これは私が担当で、絶対に最終選考に残してもらいたくて、そのためだけに私、今日ここにいるんですけど……」

一同
「(笑)」

モーニング歴3年。女編集K
「この人はとにかく絵のスタイルが独創的なんですよ。今はまだ下手なんですけど、この線はこの人にしか描けないと思うんです。物語の展開の筋もすごく練れてるし、何より漫画を描きたいという意思が強くて、何回直させてもあきらめずに描いてくるんですよ。『それでこれかよ』って思うかもしれませんけど……」

一同
「(笑)」

モーニング歴3年。女編集K
「でもとにかく主人公の気持ちをどうやって伝えるかってことを考えて漫画を描くタイプなんですよ。描きたいものがあって漫画を描いてる人間なんです。多分こういう感じの絵っていうのはないので、もうちょっとうまくなれば新しいスタイルを確立できる人だと思うんで、ぜひもう一声お願いします!」

入社1年目・ゲイボーイ・M
「話の展開に関しては『えっ、どういうことなの?』『どうなったの?』って感じでツッコミどころ満載っていう感じはしたんですけど、それでも勢いみたいなものをすごく感じましたね。すごく田舎っぽい高校があるところに、すごく都会っぽい高校があるという設定だったりこの人の作った世界観に乗せられる感じがすごくありました。ぼくもすごく評価しますね」

モーニング歴3年。女編集K
「ありがとうございます!」

一同
「(笑)」

モーニング歴3年。女編集K
「そうなんです。ひとつひとつのものを現実を切り取ってるんじゃなくて、この人の世界観に落とし込んで描いてるんですよ。だから車を描かせても、現実にない車が出てくるんですよ。そういう才能って今まで新人賞の投稿作品でほとんど見たことがなくて、この人にしかない世界観で物を描けるっていう意味では鳥山明っぽいんですよ」

全員
「言いすぎだよっっ(笑)」

モーニング歴3年。女編集K
「いや、でもほんとそれぐらい言いますよ。あとは自分の線を見つけられるかってことだと思うんですよ。見つかったときには本当に自分はミリオンセラーを狙う作家に育てられると思ってます!」

事務局長・島田
「お前、漫画ってもん甘く見過ぎだよ…。ミリオンだの鳥山明だの…」

編集長・古川(元体育会バドミントン部)
「まあ、島田の言うことはもっともだけど、これは実はバドミントン漫画としては割とよくできてるんだよ。今までのバドミントン漫画よりはバドミントンのことよくわかってる。バドミントンやってる奴ならわかる部分がいっぱいある。バドミントンのこと、本人がわかってたって、新人だとそれを漫画で伝えられないよな。そういう意味では伸びる可能性はあるかなって思った」

事務局長・島田
「俺も悪いとは思ってないんだけど、この絵は見ようによっては何か『キモい』と言えなくもないような…(笑)」

編集長・古川
「たしかに自分の線を探してるとは思うけど、でも、ラケットとか細かい部分見ると雑にしか見えないんだよ。雑に見えちゃったらダメで、絵としてよくできてるっていうふうに見えないと。ちゃんと線引くんだったら引かなきゃダメだし。この人の世界観って言ったって絵としてリアルな感じっていうのはなきゃダメだし」

モーニング歴3年。女編集K
「そうですね……」

事務局長・島田
「でも、Kがそんだけ猛プッシュするなら。確かに試合のシーンも単なるアクションには終始しないで、きちんとドラマを作ろうと努力してるね。」

7 漫画「ひだりみぎ」東京都 江口智弘
概 要
「高校二年の圭は彼女ができて初めての夏を迎えた。しかし圭は知り合った年上の女性とも関係を持ってしまい、二股に苦しむ。」

事務局員・加藤
「主人公の男に全く共感できなかったです! はっきり言って二股かけてる男の心の悩みなんて読みたくないですよ。全く共感できない!」

事務局長・島田
「自分がもてないからって主人公をひがむなよ(笑)。まあでもこの人は主人公に共感できるできない以前に人物の表情が固まっちゃってて全く描けてないように感じた」

事務局員・加藤
「人物の表情って目と口で決まってくるんだと思うんですけど。どっちもリアルに描こうとしすぎてる感じがしましたね。その人なりの顔の描き方があるのはわかるんですけど、もうちょっとデフォルメさせてもいいんじゃないかと思いますね。口も目も線一本で表情に変化をつけることだって可能なわけですから」

超ベテラン・G谷
「……そうかね……。お前らが言うほど悪いかな、これ…」

一同
「………」

超ベテラン・G谷
「確かに表情の描き方につたなさは残るが、読者にあまりストレスをかけずに物語を展開していくコマ組みは新人レベルでは十分及第点だ。」

事務局長・島田
「まあ、そうかもしれませんが……」

超ベテラン・G谷
「…それに一見、二股をかけそうにもない主人公が静かに泥沼にはまりこんでゆく様は結構丁寧に追えてもいる。……二股に共感出来ないなんて言うのは、お前らの単なるやっかみとも言えよう……。」

一同
「……」

超ベテラン・G谷
「…やっかみとは要するに羨望のことだ。読者に「やっかみ」を覚えさせる漫画は、いい作品とも言えるのではないかな……」

事務局長・島田
「…そうですか。じゃ、G谷さん担当します?」

超ベテラン・G谷
「……いや……。俺は、いい……」

事務局長・島田
「じゃ、落ちです」

8 漫画「造蠱之郷(まじないのさと)」埼玉県 小林晴々
概 要
「舞台は昭和5年の日本。虫にしか興味のない良家の若旦那はその知識を買われ、父の後妻とともに、蠱毒にあたったという男のもとを訪ねる」

副編・T
「この作品は私が持ち込みを受けました。作者は30歳の主婦の方でこの春に結婚して上京してきたので持ち込みに来ましたということでした」

モーニング歴3年。女編集K
「熟女が上手いですよね。私それにすごい感動して(笑)。エロい熟女を描けるってすごいことだと思うんですよ」

編集部員・N
「出だしはすごくよかったんだけど、そのあとが……」

編集長・古川
「話のつじつま合ってないよな、これ」

副編・T
「合ってないんですよ。そこを組み替えるなりすれば、短くなってもっと面白くなると思うんですけど」

編集長・古川
「前半の構成はこんなにしっかりしてるんだけど、後半で急につじつまが合あわなくなるっていうのが不思議だよな。」

副編・T
「私も作品の雰囲気はすごくいいなと思って、聞いてみたんですけど、こういう世界が大好きらしいんですよね。昭和モダンとか」

事務局長・島田
「うーん、みんな『雰囲気ありそう』って言うけど、『ありそう』と『ある』は決定的に違うからなあ。それはそうとして、出てくるキャラクターはみんななかなか魅力的だと思いました。でも、そう思って楽しみながら読んでると、みんな中途半端なまま話が終わっちゃうんだよ。キャラクターの数が多すぎるのでは。キャラクターを2人ぐらいにしぼって描いていったら、もう少し魅力的なセリフとか出てくると思う」

副編・T
「主役を描いて、それから未亡人が描いてみたいから未亡人を出してみたとか、頭から順々に描いていった感じはしますね」

事務局長・島田
「描きたい人物がいっぱい出てくるのは素晴らしいとは思うんですが…。そういえば今回虫が出てきて毒がどうこうって話がいっぱいあったけど、虫って流行ってるのかな(笑)」

一同
「(笑)」

9 漫画「ダーウィンをめぐる冒険」(他1)東京都 DNA
概 要
「サイエンスライターの江國亜希は子供の頃からの夢である進化論の研究者になることをあきらめきれずにいた。そんなおり亜紀は進化論の取材でオーストラリアへ行くこと」

編集部員・M
「この作品は同じ作品を4色バージョンと1色バージョンで送って来てるんだけど、1色バージョンもつけてきたのは雑誌掲載を考えれば現実的だけど失敗してますよね」

編集部員・N
「全くその通りだと思います。4色で読むとすごく雰囲気があっていいなと思うんですよね。それでそのあと1色で読むと『う〜ん、ダメかも』って首をかしげちゃうんですよね」

編集部員・M
「1色になったとたんに一気にトーンダウンするこの感じは何なんだろう?」

編集部員・N
「それは4色を前提として描いてるからだと思うんですよね。ちゃんと1色用として考えて描けば違うとは思うんですけど。話としてはそこそこ面白かったですし。まあ、ダーウィンの進化論の勉強をしている人が、ダーウィンがガラパゴスから連れ帰ったゾウガメが現在オーストラリアの動物園で飼われていることを知らないなんてありえないなとは思うんですけど」

事務局長・島田
「俺は話に全然面白さを感じなかった。話の作り込みが甘いっていうか、作者が何を言いたいのかわからなかったなあ」

編集部員・H
「はじめから1色で描けばっていうのもわかるけど、4色と一緒につけてもらった1色の原稿が漫画として見るに耐えないよ。お話うんぬんの前に制作方法をもうちょっと考えるべきだと思うよ」

副編T
「カメラアングルとかトーンとかでメリハリを全然出せないから色を塗ってるんだと思う。色が塗ってあればコマごとにメリハリがついて見える」

漫画編集歴3カ月・Y(♀)
「たしかにイラスト的な感じはしましたけど、イラストとしてはすごくいいと思いました。」

事務局長・島田
「すごくいいって、具体的にどういうとこが?」

漫画編集歴3カ月・Y(♀)
「今の若者に受け入れられそうな絵だなと思います」

事務局長・島田
「そう若者に言われるとこっちは『そうかもしれない』って思うしかないよな(苦笑)。でもYひとりのその程度の支持じゃ、最終選考まで通過するのはちょっと…」

10 漫画「雑音(ノイズ)よサヨナラ」東京都 みよしともき
概 要
「小学校の同窓会。影の薄かったヨネマンの口から衝撃の真実が語られる」

事務局長・島田
「丁寧に考えて話が作られてて、お話だけの評価で言えば、今回の中で一番だと思った」

事務局員・加藤
「笑えてちょっぴり切ない話でしたよね。すごくよくできた話で短編小説の趣さえ感じました。ただ絵が……」

事務局長・島田
「うん、絵の魅力が何かもうひとつ……」

編集部員・N
「ヨネマンがタイムカプセルに入れる手紙を全員分書くシーンは今回のすべての作品の中で最も印象的なシーンでしたよ。絵で評価が落ちてしまうのはちょっとかわいそうな気がするぐらい」

ベテラン編集・J
「俺はこの作品が今回の最高点なんだよね。たしかに最初絵に魅力が感じられなくて、途中で読むのをやめようと思ったんだけど、みんながタイムカプセルに入れる文章をヨネマンが1人で書いていくっていうアイデアがすごく面白くて最後まで読んじゃった。、しかもアイデアだけじゃなくて、このヨネマンという男のキャラクターだったらそれはありうるなっていうところで、ちゃんとアイデアとキャラクターが密接に結びついてる。それが並の才能じゃないなっていう感じがしましたね。アイデアはアイデア、キャラクターはキャラクター、って別個になっちゃう作品は多いんだけど、そうなってないのがすごい。ただネックは絵とナレーションが異常に多いことですね」

事務局長・島田
「たしかに絵がイマイチなんだけど、見るに耐えないとか、何を描いているかわからないっていうことでは全然ないんですよ。絵は上手いにこしたことはないんだけど、でも絵が上手いってことが漫画の絶対条件じゃないし、他の点で魅力があれば全然OKだと思うんですよね。この人には人間の心の面白さというか、人間の不思議さみたいなことに対する関心が本能的にある気がする。なんてことない日常生活をなんてことなく描くのが上手い人はいっぱいいるけど、そんなこといくら描いたってダメだと思うんだよね、結局は。そういうタイプの新人よりはこの人のほうがよっぽど可能性がある気がする」

11 漫画「ドクドク」(他2)神奈川県 川端遊子
概 要
「年頃の女性たちの都会への憧れや男との別れ際の苦悩を描いた作品など数編」

若手編集部員・S
「ぼくが持ち込みを受けました。作者は魚喃(なななん)キリコさんにすごい影響を受けていたということです。『ドクドク』はピンと来なかったんですけれども、田舎の女子高生を描いた『写真にまつわるエトセトラ』がすごく面白かったです。いつか東京に行きたいと思いながら、田舎で悶々と過ごしてる女の子の姿が生き生きと描かれていてすごく感銘を受けました」

漫画編集歴3カ月・Y(♀)
「私も読んで魚喃さんの影響をすごく感じました。魚喃キリコさんと安彦麻理絵さんを足して2で割ったような感じの作品で、私は非常に好きです」

編集部員・H
「それほどの人の影響受けて足して2で割ったような作品を描いてるっていう時点で俺はダメだと思う」

事務局長・島田
「これはさっきの10番(「雑音(ノイズ)よサヨナラ」)とまさに対照的だと思う。たしかに田舎の女子高生ってこうやって日々を過ごしてんだろうなとかわかるんだけど、俺なんかはわかったからって何なんだろうって気がしちゃう。読んでみての驚きとか、何かに対する発見が何もない」

入社1年目・I嬢
「でも雰囲気がすごくよくて、読み終わって『ああ、読んでよかったな』っていう充実感がすごくありましたよ」

事務局長・島田
「まあ、そうなんだけどさ。でもあまりにもこういう話が多すぎるんだよ。こういうタイプの表現力を持った人ってわりと多いんだよ。だからその中で、一歩抜きん出た何かがないとキツイかなっていう気はするんだよね」

入社2年目ゲイボーイ・M
「島田さんが言われるように特に珍しい話でもなかったし、こういうテーマっていうのはよくあるとは思いました。でも『写真にまつわるエトセトラ』に出てくる三人の女の子の楽しそうな姿を見ると、『この人楽しみながら描いてるなあ』っていうのが伝わって来て、なおかつ読んでるほうにも楽しい雰囲気が伝わって来て、僕はすごく共感できたんですよね。女の人も決してかわいい顔じゃないんですけど、イラストとしてはけっこう味があったと思います」

若手編集部員・S
「人物の顔がいいですよね」

編集部員・N
「そうかな。すごく表情が読みとりづらい絵だと思った。人物の目に力がないから、絵に目が止まらないんだよね」

編集長・古川
「致命的にインパクトに欠ける絵なんだよ。引っかかりがありそうで、引っかからない。それは絵だけじゃなくてストーリーも。雰囲気でごまかしてるだけって感じがするなあ」

モーニング歴3年。女編集K
「この人、すごく少女チックじゃないですか。感性とかストーリー展開とか感情とかが。だから私は表情を見てこれがどういう女の子の気持ちかっていうのがわかったんですよね」

入社1年目・I嬢
「そうですね、私もわかりました」

事務局長・島田
「だからわかったから何なんだよ!」

編集部員・N
「20代の女性2人がそういうならそうなのかな(笑)。すいません、僕のはおじさんの意見でした……」

事務局長・島田
「引き下がんなよ! んなことで!!」

若手編集部員・S
「でも、僕以外にもYさんやI嬢も若者はこぞって支持してるんだからちゃんと最終まで通してくださいよ」

事務局長・島田
「まあ、強い複数支持がそんだけあるなら通すのがルールだけど、俺は何となくなものを何となく描くだけじゃプロには絶対なれないと思う。最終選考でさだやすさんやかわぐちさんの意見をうかがってみようじゃない」

12 漫画「ジュピター」東京都 川村白虎
概 要
「クラスの人気者の時計が盗まれた。犯人と疑われた友人をかばうため自分が盗んだとウソをついた坂井は、クラスの嫌われ者になってしまう」

モーニング歴3年。女編集K
「図書室にずっと座ってる女の子がすごくいいキャラクターになっていて、その子との会話を通して主人公が人間として成長していくところがよく描けていたと思います。人間同士のやりとりで進んで行く物語がしっかり描けてますよね。絵自体は実は私は全然好きなテイストではなくて、人物も小学生には全く見えなかったんですけれど、そういう次元ではなくて人間の感情のドラマっていうのがきちっと描けていると思ったんで評価します」

編集長・古川
「犯人の子が時計を盗んだ理由がイマイチよくわからないんだよな。その理由とテーマがぴったり合えば納得いくんだけど、合ってないんだよ」

モーニング歴3年。女編集K
「そうですね、タイトルにもなっている『ジュピター』っていうモチーフをわざわざ持って来たのに最終的に使いこなせてないん感じはしました」

編集部員・M
「ぼくもこれはすごく評価してるんですけど、話の内容と、作中に出てくる太陽とか木星とかっていうキーワードは関係ないんですよね。『太陽になりたかった』っていう最後のセリフがまったく効いてないんですよ。もっと違うところでオチをつけたほうがよかったんじゃないかって気はしました」

入社1年目・I嬢
「話はたしかにちょっとわからなかったんですけど、絵はすごく若者に受けそうな絵だなと思いました」

事務局長・島田
「また出た、『若者に受けそう』(笑)」

編集部員・M
「絵にも問題があって、男の子と女の子の描き分けがまったくできてないと思います。髪型を変えているだけで。絵も話をわかりにくくしている要因のひとつなのでは」

副編・T
「でもこの人まだ19歳でしょ。これからどんどん描いていけば描き分けられるようになるでしょ」

モーニング歴3年。女編集K
「最近の投稿作を読んでいると、一人称で怒りや悲しみを吐露してるものってけっこう多いんですけど、どれもこの程度の人間観察力しかないのかなっていうのばっかりな気がするんですよ。それに反して、この人は人間と人間のつき合いってものを一生懸命考えてる人だと思うんで、いろんなドラマを描ける可能性があるんじゃないかと思います」

ベテラン編集・J
「みんなの評価が高いんで、あえて否定的な意見を言わせてもらいますけど、この人はあまり今後に期待できないんじゃないかと思いますね。読者を説得する気がなくて、感情だけを垂れ流した作品になっちゃってる。僕は次描いてもこれと同じような、これがちょっと丸くなったような作品が出てくるだけなんじゃないかという気がします。他人をきちんと説得しようって本能が決定的に欠けてると僕は思う」

13 漫画「ほくほく星」神奈川県 胡東美穂
概 要
「父さん、母さん、赤ん坊。宇宙人三人家族の生活を描くショート」

事務局長・島田
「この人は第19回のオープンで、全く系統の違う2作品送ってきてくれた人だよね。そのときもこの人が本当に何を描きたいのかがわかんない感じがすごくしたけど、今回のを見てもやっぱりまだそれがつかめてないのではという感じがしたな」

副編・T
「うん。そうすると今回の方向性がいいのか悪いのかっていう判断になりますよね」

事務局長・島田
「でも前回とはまた全く違うベクトルにどんどん行くから、正直比べようもないってところはあるんだよ。これがこの人が本当に描くべきものって感じ、あんまりしないんだけどなあ」

入社2年目ゲイボーイ・M
「僕が担当してるんですが、これはどちらかと言えば前回の2本のうち、あまり評価されなかった『アンテナ』っていう作品に近いテイストなんです。ちょっと不条理な感じでいて、人生訓が入っていたりするような」

編集長・古川
「方向性とか前回と比べるとかじゃなくて、この作品自体の評価をするべきだろ。それで言ったらこの作品はあんまり評価しない」

入社2年目ゲイボーイ・M
「そうですかあ……。ぼくは前回よりは進歩したと思うんですけど…」

一同
「うーん…」

14 漫画「蝶々売り」千葉県 秋元茉莉江
概 要
「蝶の鱗粉からとれるという惚れ薬を求めて蝶々売りのもとへやって来た女。女は自分が仕える九条院家の次男の恋を成就させるために使うと言う」

編集部員・N
「これは僕が担当ですが、ネームは見ていなくて、持ち込みを受けた作品をそのまま出したものです。話のほうは途中からずれちゃって、よくわかんないオチになっちゃってるんですけども、雰囲気のある絵を描ける可能性のある人なんじゃないかと思ってます。まだ若いですしぼくは推します」

副編・T
「読んでいて人物が全員どこか作りものっぽい感じがしました。作りものの感情で動いてる感じというか。こんなシーンを描いてみたいっていうのがまず先にあって、それに合わせるために無理やり人物を動かしてるって感じがすごくするんですよね」

編集部員・H
「絵柄に怖い感じとか妖しい感じがないと、こういう話は成り立たないと思うんだけど、そのへんの感じがまったくないんだよね」

入社1年目・I嬢
「顔のアップの絵がすごい多いですよね。たしかに表情はよく描けていると思いましたけど、作品世界と絵が合っていない感じが私もしちゃいましたあ」

事務局長・島田
「入社1年目にもそう言われちゃったぞ。」

編集部員・N
「支持、俺だけっすか…」

15 漫画「S〜エス〜」東京都 夏花果実
概 要
「主人公が中学時代に好きだったSという女性との思い出を一人称で語る」

事務局員・加藤
「これはぼくが持ち込みを受けた作品です。本人は一人称で語ることに強くこだわってたんですけど、ぼくにはそれがあまり成功しているようには思えなかったんですが……」

事務局長・島田
「すべて回想の話で語られててエピソードの羅列になっちゃってるから、そこに物語的な緊張感とか盛り上がりが何もない。他人の口から第三者との思い出話をただえんえんと聞かされる感じがして辛かったな」

入社1年目・I嬢
「たしかに。現在主人公がこういう人間になったのは、このSという女性と出会ったためだとか、何かSという女性の話が聞きたくなるような興味の糸口がほしいですよね。同窓会のときに話題に上ったからSを思い出したっていう導入では弱いと思っちゃいました。絵もなんか○○さんの影響を受けてる感じで何か古いかなー、なんて思っちゃったしい」

超ベテラン・G谷
「○○さんの影響を受けていては悪いのかな?」

入社1年目・I嬢
「ひえっ、そういう訳では…」

超ベテラン・G谷
「確かに今風のエッジのきいた云々などという絵柄ではないのかも知れぬが、流行りすたりと絵のうまいへたは別のこと。……このSという女性を、その本質が匂い立つように豊満に肉感的に描く技術には見るべきものもあるのではないかな……」

入社1年目・I嬢
「はい……そうですね……」

超ベテラン・G谷
「……主人公がSに乳房を見せてもらうシーンでは、私は素直に…羨望を感じた…」

事務局長・島田
「つまりG谷さん、強く推すってことですね」

超ベテラン・G谷
「いや……。そういう訳でもない」

事務局長・島田
「じゃ、最終選考には通りません」

16 イラスト「夫婦花」東京都 柴田朋宏
概 要
「2人の人物の掛け合いによる短い文章がついたイラスト数点」

入社1年目・I嬢
「掛け合いの短い文章と絵の雰囲気が合っていて私はすごく好きですけど」

事務局長・島田
「いや、俺はこれどこを評価すべきかまったくわからなかった。1次選考のとき若手の強烈なプッシュで残ったから、改めてじっくり読んでみたんだけど。イラストについてる短い文章も別に上手いこと言ってるわけでもなんでもないし。イラストにもこの人ならではのオリジナリティを感じない。だけど、これが若い感覚にフィットするのかな」

入社1年目・M
「文章を読んでいるとだんだん心地よくなってきて僕は好きですけど」

事務局員・加藤
「そうかなあ、俺はイライラしたよ。島田さんの言うように上手いこと言ってるわけでもないし、韻を踏んでるわけでもないし、絵だってそんなに魅力的なわけじゃない。なんかすべてが中途半端な感じがして。トータルの雰囲気としてはなんとなくいいのかもしれないけど、『この人の売りはここだ』っていうのが何もない感じがして」

事務局長・島田
「おっ、若手からも否定的意見が!……まあ、加藤はもう若くないか(笑)。でも、IにしてもMにしてもただ『好きです』ってだけじゃ最終までは通せないよ。『強い支持』ってのは『客観的に見て説得力のある支持』ってことだから。好き好き言ってて通るんなら、議論なんかしないで単に多数決とりゃいいってことになっちゃうだろ」

17 モバイル漫画「ザ エンドレス ストーリー」東京都 西山田智浩司
概 要
「携帯で読む漫画。絵は同じでセリフだけが変わっていくギャグ漫画10本」

事務局員・加藤
「これはぼくが持ち込みを受けました。実際に携帯電話を持ち込んできて、その場で携帯をクリックしながら読んでいったんですけれども、すごく面白かったんですよ。応募はそれをプリントアウトしたもんなんですが、原稿と一緒にホームページのアドレスも入ってて、このアドレスを打ち込んでクリックしながら読んだ人いますか?」

事務局長・島田
「少なくとも事務局員はみんな読んでんじゃないか」

事務局員・加藤
「じゃ、その他の人は読んでない人もいるんですね。でもこれほんと漫画として紙をめくりながら読んでいくよりボタンをクリックしながら読むほうが面白いんですよ。アイデア勝負というか形式勝負みたいなところがあるんで」

編集部員・S
「ぼくもこれは高得点をつけたんですけど、同じコマで顔の表情がずっと一緒なんだけど、セリフ変えるだけで意外と面白いんだなと思いました。同じコマをセリフを変えて何回も連続で見せられるとだんだんおかしくなってくるんですよね。この人は新しいことやりたいと思ってる人だと思うんで、何か一緒に新しいものを作っていければと思いました」

編集部員・N
「俺は原稿を読んであまり面白さを感じなかったんだけど、同じものを携帯で読んだら面白いなんてことがあるのかよ(笑)」

一同
「(笑)」

副編・T
「何回もえんえんと見せられたらむかついてくるよ。ある程度のところで切り上げないと。それは多分携帯で見たときのほうがそう感じるんじゃないかな」

事務局員・加藤
「切り上げたい人はそこで切り上げりゃあいいんですよ! こういうのは一種の中毒的なものなんだから。途中の切り上げたいなあ、ってとこを我慢して乗り越えないと面白みがわかんないんですって。Tさん、全部見てないでしょ?」

編集部員・S
「そう。これ描いてる本人もひとつひとつのネタの中で苦しくなってる所があって、そこがよくわかるのが面白い。なにしろ同じコマでセリフだけ変えて延々続けてくんだから。でも、もう無理だろってだれたところを強引に乗り切ってまた面白くなってくるとか、そういう作り手の苦しい製作過程そのものをエンターテイメントにしているところが一種の新しさだと思いますね」

18 漫画「世界の中心で愛を叫ぶ野獣死すべし」神奈川県 松山元
概 要
「彼女を強姦したうえに命まで奪った憎き暴走族に復讐を遂げるために男は立ち上がる。3話構成の壮大な復讐劇」

入社1年目・I嬢
「これ、『世界の中心で愛を叫ぶ野獣死すべし』っていうタイトルが一番面白かったですよね」

事務局長・島田
「いやあ、この作品、タイトルも絵もギャグかと思ったよ。一体どこからギャグになるのかと思って読んでいったら、最後までギャグにならない。作者はすごく本気なんだよね」

編集部員・H
「この人、私が若いころ担当だったんですけど、読んでみて『歳月は無情だな』という感じはしましたね。昔はもっと荒削りでヤバさがあったんですけど、やっぱり大人になってえらいまとまりましたよね」

編集長・古川
「ものすごく大真面目に描いてるのか、あるいは全体が壮大なギャグなのか」

事務局長・島田
「タイトルを見るとギャグなのかなって感じがしちゃうんだよなあ。もし大真面目に描いてるんだとしたら、タイトルづけに失敗してるよ。やっぱりタイトルってその作品の顔だからすごく大事。タイトルをつけるのがうまいと『この人、プロデュースセンスがあるんだなあ』って思うものね。」

事務局員・加藤
「新人賞でタイトルをつけてこない人ってけっこう多いんですけど、僕なんかはタイトルがないってだけで、その作品の評価を落としたくなりますね。タイトルをおろそかにしてはいけないと思いますよ」

編集部員・M
「でもこの作品に関しては1話目読んだあとに2話目読もうって気になったし、2話目読んだあとに3話目読もうって気になりましたよ。グイグイ引き込む力はあると思います」

モーニング歴3年。女編集K
「でもここまで手間ひまかけたわりには根幹のところで著しく失敗している気がしてしまいました。たしかに引き込まれたけど、読み終わった後に何も心に残らない。話が類型的すぎて、それにプラスアルファがなかったと思います」

19 漫画「アウトレット不動産」東京都 いえがも
概 要
「大家に部屋を追い出されたカエルのような生物が不動産屋でさまざまな珍物件を紹介されるギャグ漫画」

事務局員・加藤
「これはところどころ面白かったんですけど、すごく笑えるっていうところまでは行かなかった」

入社1年目・I嬢
「この人は読者を笑わせたいうよりも、このカエルのような生物だったり、石像みたいな不動産屋だったりっていう自分の世界観に読者を引き込んで楽しんでもらいたいっていうのがあると思うんです。でもそのシュールな世界観に私はついていけなかったです」

事務局長・島田
「たしかに万人受けする感じはしない。作者はこのキャラクターをかわいいと思って描いてるのかもしれないけど、俺はどこか気持ち悪い感じがしたんだよ」

事務局員・加藤
「それはぼくもしましたね。でも5ページのショート一本だとこれがこの人の持ち味なのかどうかわからない。ひょっとしたら気持ち悪いと感じさせないかわいらしいキャラクターも描けるのかもしれない。そういう意味でももう何本か作品を送ってほしかったですね。また今度の機会にでもいいですから」

20 漫画「Ryu-Gu」東京都 アダチケイジ
概 要
「少年2人が浜辺で見つけたのは、亀の甲羅を背負ってお面をかぶったおっさんだった。シュールでせつない浦島太郎物語?」

漫画編集歴3カ月・Y(♀)
「これはギャグ漫画としてすごく成功していると思います。しかも笑えるだけじゃなくて、絵がすごくいい味を出しているので、せつなさがものすごく伝わってくるんです」

副編・T
「俺の中ではもう今回の大賞候補ですね。このグルーヴはこの人にしか出せない!」

モーニング歴3年。女編集K
「絵の好き嫌いで評価が別れるタイプの人だと思うんで、絵が好きな人は面白く読めるんだと思います。私はこういったギャグは苦手なほうなんで、ちょっとよくわからなかったですね」

入社1年目・M
「ぼくたちの世代の男の子は間違いなく好きだと思いますよ」

事務局長・島田
「若者同士で意見が分かれたら、今度は若い男限定か。いずれにしてもおじさんは入ってないんだな(笑)」

年齢不詳の金髪ベテラン編集・K
「いや、おじさんの俺も面白かったよ。笑った、笑った。他にこんなものが描けそうな人、想像がつかないもん。すごいセンスの持ち主だと思うよ」

事務局長・島田
「おっさんでもKさんみたいな人にはわかるのね。はいはいほんじゃあ最終まで通しますよ」

21 漫画「パラガ」東京都 キドウユキノリ
概 要
「人生への希望を失ったバツイチ男とデリヘル嬢は心中を決意。迷い込んだ山奥で二人がたどり着いた場所とは?」

編集部員・H
「これはラストが映画的で非常に感動しましたね。応募作を読んでても最近の若い人って映画を観てないなって思うことがすごく多いだけに余計に。まあ、この人が観てるかどうかはわからないですけど、技法が漫画にはまってなくって、最後のハッピーな展開への持っていき方もうまいなあと思いました。絵はマックを使って描いてるんでしょうけど、そのわりには生っぽい絵が描けてるかなとも思いましたし、俺が決めることじゃないけど、総合的には大賞に値するんじゃないかなと思いました」

副編・T
「この人、経歴が書いてないんでわからないんですけど、絶対どっかの雑誌で賞をとったりしてるんじゃないかな。すごくクオリティが高いですもん」

ベテラン・Y
「うん、ただの素人じゃない感じがする」

漫画編集歴3カ月・Y(♀)
「デリヘル嬢の感情の移り変わりの部分がよく描けていてうまいなと思いました」

ベテラン・Y
「デリヘル嬢が昔を思い出して『昔はちっちゃな女のコだったんだな』って言うネームがあるんだけど、このネームが抜群にいいですよ」

入社1年目・I嬢
「そうですね、読んでいてさぶいぼが立っちゃいました!」

22 漫画「メロンソーダ」東京都 うえはらもとむ
概 要
「バイタリティあふれる母の上京が男と彼女との関係に影響を及ぼす」

編集部員・H
「賞の規定ではページ数無制限なんですけど、20ページ前後で描いてきてる人って少ないんで、それだけで私なんかは評価してしまうところがありますね。少ないページ数でキッチリ描けるっていうのはその人の力だと思うんで、期待できるんじゃないかな」

事務局員・加藤
「同感です。ぼくもこの人はかなりうまいと思いました。ラストで主人公が彼女に『結婚しよう』って言うのは、そこまでの展開を考えるとどうかとは思ったんですけど……」

入社1年目・I嬢
「女からしたら『ヤです!』って感じですよね(笑)」

一同
「(笑)」

事務局員・加藤
「まあでも、ラストは別にしても主人公の母親のキャラクターがすごく魅力的に描けているなと思いました。今回の応募作の中で一番キャラが立っていたんじゃないかと思います。あまりに母親が強烈すぎて主人公と彼女が負けちゃってるんですよね。だからラストの主人公のプロポーズにも共感できないのかもしれない。でも、それだけ母は強く描けてるってことで」

事務局長・島田
「話はいいんだけど、これも絵がどこか古臭さを感じさせるんだよね」

編集部員・M
「たしかに。作者は現在を舞台にして描いているんでしょうけど、読んでいてどこか昭和の香りを感じますよね。話自体が普遍的な話だからかもしれませんが、絵柄にもそんな雰囲気がありますよね」

23「6コママンガ」(他1)東京都 田中六大
概 要
「バイト後ヘロヘロになりながら描いたという大量の6コマ漫画」

ベテラン編集部員・J
「プロフィールに『仕事終わって帰って来てから描いてるんでヘロヘロです』みたいなことが書いてあるんだけど、いいのと悪いののバラツキはすごくあって、多分仕事終わってほんとにヘロヘロのときはダメで、割と楽だった日に描いたヤツはけっこういいんだと思うんですよ(笑)」

一同
「(笑)」

ベテラン編集部員・J
「えらいクセのある絵柄で描いかれているんですけど、すごく絵がうまいというか、心にしみる絵を描くんですよね。ブルーカラーのメルヘンって言ったらいいのかな。あと枠線がグニャグニャしてるんで、ちゃんと枠とって描いた方がいいとは思いました。そのせいでグチャグチャした絵に見えるんですけど、ほんとはすごく上手い絵を描く人なんだろうと思う」

モーニング歴3年。女編集K
「これウェブ上で絵本コミックみたいな形で公開したら面白いのかなと思いました。1ページ6コマの漫画として読むよりも一コマ一コマを楽しむっていうほうがいいような気がしますね」

副編・T
「この人は絵もすごく上手いと思うし、アイデアも手数もすごいと思います。すごく楽しませてもらいました」

24 漫画「ダメ帝国」埼玉県 川田
概 要
「辛い現実から逃げ出した青年の前に突然、全裸の巨人が現れた!」

入社1年目・M
「出オチって感じはしたんですけど、夜中に読んでて一番笑えましたね」

入社1年目・I嬢
「それ、夜中だからじゃないの(笑)」

入社1年目・M
「でも次の日の朝読んで思ったんですけど、この人は巨人を描こうと思ったときに、なんでこの顔を選んだんだろうって考えたら、そのセンスがすごいなと思ったんですよね」

編集部員・N
「巨人の手のひらに乗ってみんなが海まで行くシーンがあるんですけど、そのシーンがすごくよかった。主人公が乗りながら、景色を眺めてる顔がすごくいいんですよ、なんか妙な爽やかさがあって。感動すら覚えましたね」

モーニング歴3年。女編集K
「この話って内容は何もないんですよね。もうちょっとストーリー漫画として上手く描けるんじゃないかなと思ったんですけど」

入社1年目・M
「それは作者の狙いとは違ってしまうんじゃないんですかね。この人は単純に人を手のひらに乗せて走ってる巨人の絵の面白さっていうのを描きたいだけだと思うんですよね」

編集部員・H
「しかしこの人、アシスタントやってるわりには背景下手だねえ」

編集部員・N
「アシスタントやってる人ってふだん背景描いてるから自分の漫画では描きたくないんですよ。背景描くのにうんざりしてけっこう描かないもんなんですよね」

入社1年目・I嬢
「だから大きな人間描きたかったんですね!(笑)」

一同
「(笑)」

副編・T
「巨人以外の人間もけっこうちゃんとキャラクターが描けてると思いましたね。それぞれが背負っているものがちゃんと見えるように描かれてて」

25 漫画「三代目の恋」神奈川県 鈴木綾
概 要
「舞台は江戸時代。歌舞伎役者の三代目はその重圧に苦しみ、色街へ足を運ぶ。そしてそこで知り合った遊女と恋に落ちる」

事務局員・加藤
「この人は前々回『地獄太夫と白昼夢』を描いた人です。それに比べれば格段に漫画になっているし、面白いと思いました。でも、この漫画25ページというページ数のわりにものすごく読みにくくて、読むのに疲れるんですよ。原稿を見るとわかるんですけど、この人枠線におさめて絵を描いてないんで、多分普通に描いたら40ページぐらいの分量があるんじゃないかと思うんです」

事務局長・島田
「不思議なコマ割りをしているよね、この人。お話を一生懸命考えてるのはわかるんだけど、コマ割りとかの部分で損をしている感じがする」

副編・T
「『地獄太夫と白昼夢』のときから進歩してるかって考えると、話はわかりやすくなってるんだけど、絵が相変わらず見にくい絵だなあって感じはしましたね。一枚の原稿の密度が濃すぎるんだと思うんですよね。もうちょっと余白を使うってことを意識してほしいと思いますね」

編集長・古川
「わかりやすくて、いいストーリーだっただけに残念だね」

26 漫画「光と水と夢」東京都 佐藤悠亮
概 要
「草木の生えることのない乾ききった荒野に水を供給する塔で働く少年の物語」

事務局長・島田
「俺この話、よくわからなかったんだよ。誰かわかった人に教えてほしいんだけど、どういう話なの、これ?」

入社1年目・I嬢
「私もよくわからなかったんですけど、塔に悪いものが溜まって、それが吐き出されたから水がきれいになったみたいな話なのかな、とは思ったんですけど」

事務局長・島田
「おおまかそんな流れなのはもちろんわかるけど…。非常にわかりにくいよね。しかもこういう世界観ってわりとよくあるよね」

編集部員・M
「結末がどうなるのかっていう興味で最後まで引っ張られはしましたよ。それで一次選考のとき推したんですが…」

モーニング歴3年。女編集K
「でもオチがないんですよね。なんで水がきれいになったのかっていうことの説明もないし」

編集部員・N
「80年代初期のSFブームのころによくあった漫画ですよね」

編集部員・H
「この人が他の漫画との違いを際立たせたところって世界観しかないと思うんですけど、世界観自体どこかで見たことがあるものになっちゃってる。石のブロックが光って動いて行くシーンとかっていうのもアニメでさんざん見たような演出なんですよね。それを今このご時世に改めて新しい世界観として描いてくるっていうのは厳しいと思いますね」

事務局長・島田
「Mの他にも誰かが相当推したからここまで残ってんだよね。誰だっけ?」

超ベテラン・G谷
「(黙って挙手)」

事務局長・島田
「G谷さんですか…。80年代のSF、好きなんすか?」

超ベテラン・G谷
「……もういい……」

27 漫画「クニャオのまんが」東京都 国島クニャオ
概 要
「心中する男女のやりとりを描いたギャグなどショート作品4点」

副編・T
「この人はそこそこ面白いとは思うんですけど、多分ここで止まってしまっていて先には行かない感じがする。プロフィールに『ホームページでも作品を公開してます』って書いてあったんで見てみたんですけど、アベレージは高いし、一定数ファンもいそうなんですけど、この先メジャーになるかっていうと、どうもここ止まりな感じが俺はするんですよね」

事務局長・島田
「海で心中する話は俺はすごく面白かったよ。まずこういう展開になるとはちょっと想像できないところに話を持っていってると思った。ただこの人も絵にちょっと古臭さを感じた」

副編・T
「たしかに70年代の香りがしますよね」

事務局長・島田
「俺はそれがすごく引っかかる。もっと古さを感じさせない何かがあったら、このセンスでアリじゃないとは思ったんだけど」

副編・T
「でもわざと70年代風な感じにさせてる気はしないでもないですけどね」

入社1年目・I嬢
「私はそんなに古いって感じはしなかったですよ」

事務局長・島田
「若者にそう言われると……」

一同
「(笑)」

28 漫画「ナカワケ」東京都 セキグチアキラ
概 要
「クラスメイトの女の子を前に主人公の高校生・ナカワケが次々と天然ボケをかます」

副編・T
「この人は前回『4丁目も夕日』を描いた人です。前回より遥かに進歩している……」

編集長・古川
「いや、全然面白くなくなっちゃってて、ビックリしちゃったよ、俺は(笑)」

副編・T
「今回はストーリーも読めるようになってるし、ギャグもそんなに衰えてないと思うんですけど…」

事務局員・加藤
「いや、まだ前回のほうがよかったと思いますよ。前回も今回もわけがわからないのは一緒なんですけどね。でも前回は天然で描いてたのに、今回は頭使って計算して描いてる感じがすごくしましたね」

事務局長・島田
「うん、前回はいろいろわかんないことだらけだったけど、キャラクターは面白かったんだよ。でも今回はネタとかセリフには凝ってるんだけど、キャラクターが面白くないんだよ。変にウケを狙いすぎてる感じがすごいするんだよ」

副編・T
「あれえ…。俺だけかよ…」

29 漫画「はだか電球」東京都 ポエ松
概 要
「はだか電球ひとつの薄暗いアパートの一室で生活する人のようで人でない奇妙な生物は、無気力な自分を変えるために旅に出る」

編集部員・H
「この人、応募はじめて?」

事務局長・島田
「じゃないですか。誰かこの人知ってる?」

一同
「……」

編集部員・H
「好きか嫌いかは別にして、モノローグなんだけどネーム運びとかうまいし、絵も実は異様にうまいよね…」

編集部員・D
「実はこれ今バラすけど作者は今モーニングで連載中の○○さんです」

一同
「えーーーっ!?」

編集部員・D
「すごいちっちゃいコマで1枚落書きみたいに描いた漫画があって、『これ面白いから8ページぐらいにしたらどうです?』って言ったら描いてくれたんですよね。それで、どうしようって話になって、『じゃあ、バレないようにマンガオープンに出してみよう』ってことで実際に出してみたんですよね」

編集部員・M
「やっぱり。僕、昔、ふとしたことで○○さんのストーリー漫画を見せてもらったことがあるんですけど、これを読んでそのときと同じ気分になったんですよ。(笑)」

一同
「(笑)」

事務局員・加藤
「でも、なんでキャラをこんな気持ち悪い造形にしたんですかね? 人間にしたくないって気持ちも少しはわかるんですけどね」

編集部員・D
「でも話はいいでしょ。けっこうホロッとするでしょ?」

事務局員・加藤
「しないですよ! イヤな気分になる。だからそれはキャラのせいだと思いますよ。この絵では話と絵を分けて論じることは不可能ですよ、気持ち悪さが先に来ちゃって」

編集長・古川
「もういいよ。○○さんだって聞いても気持ち悪いもんは気持ち悪いよ(笑)」

30 漫画「ダンナマンにヨメハーン」東京都 堀本
概 要
「地球を守るヒーローは実はダメ夫婦という設定の四コマ漫画」

漫画編集歴3カ月・Y(♀)
「四コマ漫画って単行本になったときにあんまり読む気がしないんですけど、これは何ページ読み進めて行ってもまったく飽きなかったし……」

編集部員・H
「そんなにページ数ないだろ(笑)」

事漫画編集歴3カ月・Y(♀)
「いや、まあたしかにそうなんですけど、もっと読みたいなと思ったんですよ。 スッキリしていて見やすい絵だと思いましたし、無理矢理なオチもなくて気楽に読める漫画なので、今ドキの……」

編集長・古川
「今ドキのって言われるとドキッとするよな、俺たち(笑)」

一同
「(笑)」

漫画編集歴3カ月・Y(♀)
「なんか今ドキの夫婦を描けてるかなあと思いまして……」

編集部員・H
「キャラにアクションがついてるコマがけっこうあるんだけど、それがことごとくジャマだなって感じがしたなあ。ダメな漫才って無駄な動きが多いんだけど、それと一緒で読んでてシラケる感じがすごくする」

編集長・古川
「多分この人の頭にはじめに浮かんだ企画意図は面白いと思うんだよ。でもネタはもぅひとつだなあ。企画意図の面白さを消化できてないんだよ」

副編・T
「ヒーローの裏側をギャグにするっていう企画意図もそんなに珍しいものではないですしね」

編集部員・N
「僕はこれは可能性あると思う。この作品は単純にダメな夫婦の共感を呼べる。僕なんかは『ウチはここよりはマシだ』って感じで安心して読めますもん(笑)」

一同
「(笑)」

事務局長・島田
「Nは相当強い支持なの?」

超ベテラン・G谷
「……私も支持する……」

事務局長・島田
「はあ…」

超ベテラン・G谷
「3人も支持しているんだ……。最終まで通してもらおうか」

31 漫画「アジアの夜中」東京都 長田俊介
概 要
「深夜の羽田空港でアルバイトをする作者と多国籍な同僚たちとのおかしな交流」

編集部員・N
「この作品は私が担当で、以前に同じネタで四コマ漫画を描いて賞をとってまして、今回は同じネタをコマ漫画として描き直してみたんですけど、いかがでしょう?」

入社2年目・ゲイボーイM
「どうしてネタを同じにしたんですか?」

編集部員・N
「最初は怖かったアジアの人たちとだんだん仲良くなっていく過程を描いていく以上は最初に戻らざるを得ないということで」

編集部員・H
「『アジアの夜中』ってタイトルはいいなあと思ったんですけど、作品はイマイチでしたね。この人、説明しすぎだと思うんですよね。ルポともエッセイともどっちつかずですごく中途半端で、ただ単にこの人の話を聞かされてるような印象は受けたんですけどね」

編集部員・N
「たしかに本人の話聞いてるほうが面白いんだよね」

編集長・古川
「俺もそう。1回聞けば十分だと思った。2回聞いたら面白くない。それとこういう職場ってどっかにあるだろうなってみんなどこかで思ってるところがあるんで、読んでて『えっ、こんなことあるの!?』っていうところが出てこないと厳しいと思う。漫画としてそこまで面白さが消化されているかってなると、されてないんだよね」

入社2年目ゲイボーイ・M
「四コマのときはコンパクトにまとまっていたんですけど、ストーリーにするにあたって足した部分がキャラクターを深めていく方向じゃなくて説明になっちゃったから、余計なところが増えて印象が悪いほうに変わってしまったのかなと思いましたね」

事務局長・島田
「担当以外から積極的支持が特にないようなら、残念ながら2次落ちということで。以上で2次選考会終了です。お疲れさまでした。今回は何本残ったのかな……」